【書評・要約】『日本への警告』ジム・ロジャーズ

「2021年まで待ちなさい!」キャッチ

書籍『日本への警告』ジム・ロジャーズを読みましたので、レビューと要約をしたいと思います。

『日本への警告』ジム・ロジャーズ小里博栄 取材・翻訳・監修
2019年7月18月 第1刷発行 (講談社+α新書)

この本をおすすめしたい方
  1. 日本の未来と、世界で注目すべき国を、ジムの視点から学びたい人
  2. ジム・ロジャーズの考える成功哲学・投資哲学をこの1冊で読みたい人

※なお、この本を紹介するにあたり、著作権侵害にならぬようできるだけ配慮して良さをお伝えできればと思います。

レビュー

2019年の7月に発行された本ですが、2020年の1月においても本屋で平積みされているのを見かけます。今もなお「ジム・ロジャーズ」は日本で親しまれているようですね。

この本は「日本が抱える問題と解決策」「世界で今後注目すべき国」「ジムの成功哲学・投資哲学」の3つに大きく分かれ、さっくりと2時間ほどで読めるボリュームです。
(小里博栄氏が同年3月に、ジム氏のシンガポールの自宅で行ったインタビューと、既刊書の内容を合わせて構成したものだそうです。)

「日本が抱える問題」と「世界で今後注目すべき国」については、ジムが実際に見たり、過去の歴史に照らし合わせて導き出しだ貴重な未来予想が多く載っています。一方、根拠となる記述が物足りない部分もありますが、
ジム・ロジャーズが、世界の未来をそう語っていたな、と心に留めておくに値する内容であると思います。

最後の章では、ジム・ロジャーズを「世界三代投資家」にならしめた彼の成功哲学・投資哲学がまとめられています。こちらも素晴らしいのですが、長くなりますので、次の記事にてご紹介します。

要点

日本が抱える問題と克服すべき課題

日本の人口減少は致命的なリスク
  • 日本は巨額の財政赤字を抱えている(長期債務残高は1000兆円を超える)が、
    税金や社会保障費を負担する人の数は減少し続ける。

日本の株式はすべて手放した
  • 2018年秋、日本株を全て手放した。アベノミクスが続き、人口減少の問題を解決できない限り、日本関連の資産は持つ予定がない。

 

citronella
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2019年には、インタビューにて「日本株を手放した」と話していたジム氏ですが、2020年最新のインタビューでは「2020年、私も決意したことがある。それは、すべて売ってしまった日本株を(短期的に)買い戻す検討に入ったこと。」と話しています。 

東京オリンピックは日本の衰退を早める
  • 歴史を見れば、オリンピックが国家にとってお金儲けになったためしがない。
    一部の人に短期的な収入をもたらしたとしても、オリンピックのせいで日本の借金はさらに膨らむ。

日本の人口減少に対し「移民の受け入れ」がなければ国家は衰退
  • 移民は国にアイデアをもたらし、活気を生み出してくれる。アメリカの場合、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックに代表される刺激的な企業のほとんどは、移民にルーツを持つ人物が創業したもの。
  • 人口減少は労働力の減少の側面だけでなく国内需要が減ると言う面も大きな問題
  • 移民の受け入れとともに外国人向けのビジネスも大切(不動産ビジネス、教育ビジネス、飲食ビジネスなど)

 

citronella
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日本では、近年外国人労働者の受け入れを拡大するための法改正などが行われ、実際は日本の外国人受け入れ数は先進国の中でも上位であるようです。
むしろ日本における在留資格の厳しさに対し「外国人労働者が日本に来てくれるのか」といった問題がよく議論されています。

農業の可能性に日本は目を向けるべき
  • 本の農業は高齢化と担い手不足という課題を抱えるが、担い手さえ見つかれば、日本の農業の未来は明るい。
  • 日本の農業技術にもイノベーションが求められる。国内農業に対し、投資を通じたお金の流れを増やす必要がある。

アメリカ、中国、朝鮮半島の変化の本質

トランプ政権の保護主義はアメリカ経済の衰退を引き起こす
  • 鉄鋼製品や車の輸入に高い関税をかければ、国内の販売価格は高くなり国民の生活が厳しくなる。
  • 大規模な米中貿易戦争に陥れば、世界の景気は急速に悪化

21世紀、最も重要な国になるのは中国
  • 中国の利点は膨大な人口と資本、さらに華僑という巨大な国外移住者ネットワークを持つ
  • アメリカの10倍近いエンジニアを毎年輩出

北朝鮮は今後豊かな国になる
  • 金正恩の時代になり、国際スキーリゾート、自由貿易区、平壌マラソンなど、前向きな変化の兆し
  • 経済を解放すれば、豊富に残る地下資源を活かして再び豊かな国になれる。

北朝鮮と韓国の統一は遠くない未来に起こる
  • 長期的には中国に軍杯が上がるが、5年後のアジアで最も幸福な国になるのは、朝鮮半島の統一国家だと私は見ている。

中国に続くBRICs期待株はロシア
  • ブラジル、インド、ロシアから投資先をひとつ選ぶとするなら、ロシアを選ぶ
  • ロシア極東の開発を目的とした政府の共同基金立ち上げなど変化の兆し、

     中国の進出による発展、債務の少なさなどの利点。

変化を見逃さなければ未来が見えてくる

ジム・ロジャーズ氏は、投資家としての自らの成功を「時代の変化を見極める」ことができたからであると本書の中で語っています。
さらに、変化を見極めるコツについても説明しています。

大きな変化とは3年ごとに起きるようなものではなく、10年に1度、あるいは100年に1どの大きな変化のことだ。

そうした変化に出くわすのは難しいと思われるかもしれないが、私はよく遭遇している。なぜならば、“触媒”をとらえるように努めているからだ。

本書で触れてきた国々についても、さまざまな物事が触媒となって変化が起きていることがわかる。
アメリカではトランプ政権による保護主義の強化、金正恩の登場による朝鮮半島の南北統一に向けた機運の高まり、ロシアのプーチンによるウラジオストックを中心とした極東への投資ー。
変化の「触媒」を掴み、これまでの歴史と照らし合わせて物事を見ていくことで、未来を予測することができるということですね。


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