株やFXにおけるアノマリーとは、理論的な根拠に乏しいが、規則性のある現象のことです。
最も有名なアノマリーでは、「セルインメイ(5月に売れ)」などがあります。
今回は、「季節性」に関するアノマリーで、確率が高いものを解説しました。
ただし、その時の経済の要因次第ではアノマリーが完全に無視される年もありますのでご注意ください。
アノマリーが発生しやすいような相場の状況である時に、最も効力を発揮します。
季節性に関するアノマリー図解
各月の詳細は、記事の下に記載しています。

FX・株の季節性に関するアノマリー詳細
1月
FX
正月シーズンは閑散としていますが、明けは一気に動くこともあります。ドル円には1-2月に年間の高値・安値を付けることが多いです。2010年から2019年までの間で1-2月に年間の高値・安値を付けることが7回(70%)、年間の高値・安値から±10%を範囲内とすると9回(90%)です。
株(日経平均)
「1月効果」というアノマリーがあります。近年は、月初は堅調に推移し、その後は落ち着くか下落する傾向にあります。
2月
FX
1月の流れを概ね引き継ぐ傾向にあります。また、「節分天井彼岸底」というアノマリーがあります。(節分2/3頃天井をつけ、彼岸の頃(3月末)底をつける)2月はそこまで顕著では無いですが、彼岸の頃(3月末)には底をつけやすい傾向があります。
株(日経平均)
「節分天井彼岸底」のアノマリーがあります。FXよりその傾向は強いようです。最初の1週間は軟調(2/3付近に天井をつけやすい)に動く確率が高く、その後持ち直しても彼岸の頃(3月末)には底をつけやすい傾向があります。
3月
FX
日本企業の決算が集中する3月下旬に向け、外貨を円に換えるため円高になりやすいです。ドル円でこの確率は高く、2010年から2020年までの間で、3月における強めの下落は80%ほどで起こっています。
株(日経平均)
日本企業の決算が集中する3月下旬に向け、決算対策の売りが増える傾向にあります。
4月
FX
日本企業の年度始めであり、円安になりやすいです。3月と4月のドル円相場は逆方向に動く傾向にあり、堅調に推移する事が多いです。(ただし、逆の材料が出た場合は腰折れや、強く下落する年もあります。)
株(日経平均)
日本企業の年度始めであり、3月末から4月いっぱいは堅調に推移しやすいです。
5月
FX
「セルインメイ(5月に売れ)」格言が有名です。円高傾向になりやすいです。ファンド勢が利益確定に動きやすいときなので、相場が反転しやすいです。ドル円の場合軟調に推移しやすく、5月に強めの下落が起こる確率は2010-2019年の間で60%ほど。
(ただし、相場の状況次第で、5月に強く上昇する年もあります。)
株(日経平均)
「セルインメイ(5月に売れ)」格言が有名です。株が売られやすい時期です。特に上昇が続いた場合など天井になる可能性がありますので注意が必要です。
6月
FX
方向感に乏しい月です。
株(日経平均)
方向感に乏しい月です。月初は堅調でも腰が弱くなりやすいです。
7月
FX
夏期休暇のため市場参加者が少なくなります。ドル円相場はやや下落しやすい時です。
株(日経平均)
夏期休暇のため市場参加者が少なくなります。月中で反発しても、月末間近に下落しやすい時です。
8月
FX
夏期休暇のため市場参加者が少なくなります。「夏枯れ相場」と言われドル安になりやすいです。ドル円相場は下落しやすい時で、特に高値圏に位置する時は注意が必要です。
株(日経平均)
夏期休暇のため市場参加者が少なくなります。「夏枯れ相場」と言われ米国市場も日本市場も軟調に推移しやすいです。
9月
FX
日本企業の中間決算で、円高要因になります。ドル円の方向感にあまり規則性は見られません。
株(日経平均)
8月末から9月にかけて持ち直しやすいです。
10月
FX
10月は日経平均、米株とも月中まで軟調になりますが、為替もその動きに連れて動きやすいです。ドル円相場は年末に向けて上昇しやすい傾向にあります。
株(日経平均)
「10月効果」として、下げやすく、底を打つ銘柄が現れます。その後年末に向けて上昇しやすい傾向にあります。
11月
FX
ドル円相場は年末に向けて上昇しやすい傾向にあります。
株(日経平均)
11月いっぱいは堅調に動きやすい傾向にあります。
12月
FX
欧米企業の決算期で、円安要因となります。米国市場の「クリスマス・ラリー」でドル高になりやすいです。早ければクリスマス前から、もしくはクリスマス後に利益確定の反転が起こりやすいため注意が必要です。
株(日経平均)
年末に向けて堅調に推移しやすいです。早ければクリスマスから、もしくはクリスマス後に利益確定の反転が起こりやすいため注意が必要です。
季節性に関するアノマリーまとめ
以上が季節性のアノマリーとなります。
データと自分の経験則、また信頼できる情報源からまとめました。
特に、3月末の下落、4月の年度始めの上昇、5月の利益確定の下落、8月の夏枯れ相場、年末に向けての上昇、12月末の利益確定の下落など
確率の高いものもありますので、武器のひとつとして頭の片隅に入れておくと良さそうです。
ただし、確率の高いアノマリーであっても、相場の状況により真逆の動きをする年もあるのでご注意ください。
アノマリーの発生しやすい状況の中で、効果を発揮しやすいようです。